【水分】
米の中における水分の占める割合を表しています。単位に示す%は検査サンプルに対する重量比として表記されます。玄米水分が13.5%以下の過乾燥米は炊飯前の浸水時にひび割れを起こし、べたついたご飯になると言われています1)。食味からみた玄米の適正水分は14.0%~15.0%とされています1)。また、貯蔵において米の水分が17.0%以上の場合はカビ等の発生が起きやすいため保管に注意が必要です2)。
【たんぱく質】
米の中におけるタンパク質の占める割合を表しています。なお、タンパク質含量は乾物換算として求められ、単位に示す%は検査サンプルに対する重量比として表記されています。タンパク質含量が多いと浸水時における吸水が阻害される傾向にあるため、ご飯が硬く感じられることがあります1)。また、タンパク質含量の数値が低いほどふっくらとしたご飯に炊き上がるとされています1)2)。『七訂日本食品標準成分表2016』によると、日本の米には平均して玄米で6.8%、精白米(うるち米)で6.1%のタンパク質が含まれているとされています3)。
【アミロース】
でんぷんの中におけるアミロースの占める割合を表しています。単位に示す%は検査サンプルに対する重量比として表記されます。米に含まれるでんぷんはアミロースとアミロペクチンという2種類の性質の異なった成分で構成されています1)2)。この両成分の比はうるち米でおよそ20:80、もち米では0:100とされています1)2)。アミロースの比率が低いほど、もち米に近いやわらかく粘りのあるもっちりとしたご飯になると言われています1)。
【脂肪酸度(玄米のみ)】
玄米に含まれる脂質の酸化度を表しています。単位に示すKOH mg/100 g は、米から脂質を抽出した溶液(酸性)を中和するのに要するKOH(水酸化カリウム:アルカリ性)の量を米100gに対して表したものになります。玄米には約3%、精白米には約1%の脂質が含まれており、時間とともに脂質が分解され遊離の脂肪酸が増加していきます1)2)。脂肪酸度の数値が高いほど脂質の酸化が進み古米化していると言われてます1)2)。
【食味値】
「水分」、「タンパク質」、「アミロース」、「脂肪酸度(玄米のみ)」を総合評価し、お米の食味を数値化しています。食味値は100点満点で表され、数値が高いほど良好として評価されます。
【参考文献】 1) 作物生産からみた米の食味学 (養賢堂) 2) 米の科学 (朝倉書店) 3) 七訂日本食品標準成分表2016 (女子栄養大学出版部)